福岡県の南東に位置する朝倉町(現在は朝倉市)は純農村地帯で、筑後川が流れ南に耳納連山が見える風光明媚な所です。筑後川の北部の広い水田に水を導くために筑後川を斜めにせき止めた「傾斜堰床式石張堰」があり、筑後川の水を堀川に導流させています。
堀川は、農業用水路で本線約12Kmに及び朝倉の水田の約半分(50%)が恩恵を受けていると言われています。この堀川に水車群があり堀川の水を高い位置にある水田に揚水しているのです。
水車は全国的に多くありますが、三連水車はめずらしいものです。ここ菱野三連水車は寛政元年(1789)以前の作というだけで、誰が考案したのかさだかでありません。三島二連水車、久重(ひさしげ)二連水車も同じ頃に造られたと考えられています。
菱野三連水車の直径は上車が
4.76m、中車4.3m、下車
3.98mで標高差のある上の田に揚水しています。県指定の有形民俗文化財であり、平成2年には菱野三連水車と三島二連水車、久重(ひさしげ)二連水車が「堀川用水路水車群」として国指定史跡に指定されました。
なお、三島二連水車は菱野三連水車の約100m下流にあり、また、そこから約150m下流に久重(ひさしげ)ニ連水車があります。
この水車群が水を汲み上げているのは「田んぼ」に水が必要である時期のみで6月中旬から10月中旬頃までです。水を汲み上げていない水車は「干からびた」つまらない水車です。観光に訪れるなら水を汲み上げている時期がお奨めです。(見学自由・無料駐車場あり)
これからの季節、紅葉や温泉などの観光にはぴったりな朝倉市です。
新鮮野菜も豊富です。今は柿がとっても美味しいです。